プロ野球　男道！

昨日（2005年8月27日）の対ホークス戦はまさに劇的なゲーム展開でございました。ホークスの勝敗が気になりましたので、見ておりました。先発はF：ダルビッシュ、H：杉内で始まり、双方一回に1点ずつ得点した後6回まで0行進でした。失礼ではありますが、このままでは日ハムに不利であることは火を見るより明らかでした。相手は今季絶好調の杉内です。一方ダルビッシュも1失点に抑えているとはいえ、味方の好守備や持ち味ともいえる「幸運」に助けられた面が多々あることは否めません。

案の定、ダルビッシュは6回表に、この回四球を含む出塁を許して3失点で降板します。この時点で被此の差は3点、杉内相手に簡単にひっくり返せる点差とは思えません。ところが、杉内は5回で降板し、6回裏のマウンドには三瀬が上がりました。　あのまま杉内が投げ続けていたら……。

ドラマは8回に訪れます。1回に同点本塁打を打った小笠原がランナー2人を置いて、またまた同点スリーランを放ったのです。ホークスの投手は吉武でした。ゲームは振り出しに戻ってしまいました。

そして9回、両者得点が入らず、延長戦に持ち込まれました。

10回裏、ホークスの投手は馬原に代わっていました。二死、実松、小笠原、敬遠のセギノールで満塁の場面で田中幸に打順が回ってきます。2球目低めの球をセンターに打ち返します。ホークスのセンターは去年まで近鉄にいた“韋駄天”大村です。追いつかれる……。ところがボールはフェンスに当たり、その時点で大村は追うのをやめてしまいました。
そうです、サヨナラ、です。

間違いなく殊勲者は田中幸です。たとえこの試合で小笠原が2本の本塁打で4打点を稼いでいるとしても、です。しかも、自身1,000打点目の記念すべき一打でございました。

お立ち台でうっすらと涙を見せる彼の姿は、人の心を、少なくともわたくしの心を打つものでございました。プロ入り20年目の快挙です。20年で1,000打点ですから、単純計算で1シーズン50打点です。一口に50打点と言いましても、1軍で毎年この数字を達成するのは並大抵のことではございますまい。しかも彼は、生え抜きのまさに「ミスターファイターズ」です。

「野球をやっていて涙が出たのは初めて」だそうですが、その涙について誰も語ることはできますまい。ただ、感動することしかできませんし、おそらくそれで充分なのだと確信いたしました。その姿にわたくしは田中幸のおとこまえを強く感じたのでございます。

次は2,000本安打でございますね。今シーズンが始まる前に、光山氏に「あと79本か……3年くらいかかりそうやな」と揶揄されていましたが、この時点で残り41本です。せめて来季には達成していただきとうございます。そのときはどうかロッテ戦以外でお願いいたします……。もちろんロッテ戦で達成なさいましても、心より祝福いたしますが。