プロ野球 男道!

日本プロ野球界に生息する『おとこまえ』を発掘し、賞味するBlogです。
また、男を下げた選手を容赦なくムチ打つBlogでもあります。
久保は音速【sonic】を越えるか?
千葉ロッテマリーンズ関係者のみなさま、交流戦単独首位決定おめでとうございます。昨日(6月16日)の試合が雨で流れなければ、おそらく『彼』が登板していたでしょう。果たして昨日の雨は「恵みの雨」だったのでございましょうか。
彼とは久保康友のことでございます。
6月9日、ロッテのルーキー久保が巨人から勝ち星をあげて、今季6勝目をマークいたしました。このままのペースで勝ち続けると、今季二桁勝利はまず間違いございません。そうなると、新人王の称号がはっきりと見えてまいります。

久保は年齢的にも経歴的にもいわゆる松坂世代と言われる世代に属しており、実際「松坂世代最後の大物」と呼ばれております。関大一高3年生のとき(平成10年度)、センバツ高校野球大会の決勝戦で、松坂の君臨する横浜高校と対戦して惜しくも敗れるという体験を持っているのです。まさに「松坂世代」であり、松坂がライバルであることを強く意識した一人でございました。
松坂という「時代の化け物」をライバルに持つとは、どういうことなのでしょうか。他の松坂世代の実力者たちが大学を卒業して、一斉にプロ入りしたのが2003年でした。
一方久保は高校を卒業後、松下電器に入社しております。大学を卒業した者が社会人チームに入った場合は2年間、高卒者は3年間ドラフト指名が凍結されます。(ですから、次回ドラフト時に大学から社会人を経た「松坂世代」が指名され、プロ入りしたら彼が「最後の」の名を背負うことになります。)久保は3年どころか6年も経ってからようやくドラフト指名されたことになります。

社会人時代、プレッシャーと故障に悩まされ、思うような成績を残せなかったということです。たしかに、あの松坂と甲子園で決勝で投げ合った投手とあれば、周囲の目もずいぶんと好奇の色が濃かったことでしょう。高校を卒業したての少年が、社会人としての第一歩をそのような一種特異な環境で過ごさねばならなかったことに思いを致せば、よく諦めずにここまで来たと感心せざるを得ません。
また、大学を卒業したかつてのライバルたちが次々とプロ入りして活躍している姿を見て、高校時代の「熱闘」を思い出したのでございましょう。
「刺激になった。やってやろうという気持ちにさせられた。」
久保にとって和田【ソフトバンク】や新垣【同】はそれほど遠い存在ではありません。その彼らがプロの世界で充分通用しているのです。自分もやってやれないことはない、そう思ったはずです。

そして今年、今やパ・リーグ最強の球団ロッテでローテーションを守る投手として、交流戦において巨人を相手に2勝を挙げるという活躍を見せております。
初先発は4月24日、フルキャストでの楽天戦でなんと完封しています。このとき、今年の目標を聞かれて「新人王」という言葉を口にしました。(この日、偶然阪神のルーキー・能見も初勝利を挙げています。)
5月4日には本拠地マリンスタジアムにて初先発、5回2/3でマウンドを降りますが、無失点でした。このとき、ファンの前でやはり「新人王宣言」をしました。
5月12日、久保に初黒星をつけたのが我らが阪神タイガースでした。相手投手は井川です。井川はこの日ようやく3勝目を完投完封で飾りましたが、一方の久保は初回の今江のエラーが後を引いた形で、負け投手になってしまいます。久保は今江のためにも走者を絶対還したくなかったと話していましたが、結果は直後に金本にツーランを打たれてしまいました。また、今江は後に巨人戦でのヒーローインタビューで、阪神戦で久保が負け投手になったのは自分のエラーの所為、今日は久保のためにもどうしても自分のバットで勝ちたかったというようなことを言っていました。
5月19日、広島戦での白星をはさんで26日、東京ドームでの巨人戦で勝つには勝ちましたが、彼にとって課題の残る投球内容でした。四球で走者を出した後の本塁打、暴投等、しかも小久保、ローズ、清水にたて続けに本塁打を浴びる結果となったのです。打たれたのは全て自らの失投、いい球では抑えられていたので、打たれたのは自分が悪いとうなだれた様子で話していました。

6月2日、マリスタで広島戦を戦ったのですが、この試合はわたくしにとって記念すべき試合なのかもしれません。久保の顔つきが明らかにそれまでとは違うのです。この日は野手の好プレーが続出し、久保自身も言うようにかなりそれらに助けられた面もあったと存じます。自分の勝利ではなく、チームが勝ったことの歓びがにじみ出ているように感じました。このときのヒーローインタビューは、インタビュアーも言っていたように新人離れした実に堂に入った立ち居振る舞いで、試合の方も恐らく、後から振り返ったときに彼のターニングポイントになった試合と言ってもよいでしょう。
そして9日、唐突な感じのピカチューのかぶり物姿でヒーローインタビューに登場した久保ですが、マリスタということもあってか、リラックスした面持ちでございました。(ピカチューは夏公開の映画の宣伝のようでした。)インタビュアーに新人王について聞かれても、いつものように狙っているとは答えず、冷静にチームの勢いに乗っていければいい、などとしおらしい様子でございましたが、むしろそこにこそ口にするまでもない自信を感じるのです。最後にひと言と言われて「ぴかちゅー!!」と叫んだときは、本当に腰がくだけました。

このまま行きますと、久保の新人王はまず間違いないことでしょう。かつて松坂に破れた男の勢いは、誰にも止められそうにございません。

遅れて来た「松坂世代」、久保康友に乾杯。

M's cafe 『久保康友投手』を参考にいたしました。ありがとうございました。
| 鳴尾浜小町 | 千葉ロッテマリーンズ | 02:10 | comments(2) | trackbacks(0) |

コメント
久保は先発5・6番手という気軽なところで投げられたのもよかったのかもしれませんね。
一場はいきなりチームの命運を背負わされて、ちょっとかわいそうな感じだったし・・・。
L松坂やH杉内・和田(新垣もか!)と投げ合って勝利する姿を早く見たいですね。
| SHO-CHAN | 2005/06/19 11:09 PM |
SHO-CHANさま、いつもお世話になっております。
一場は本当に気の毒です。ファームに落ちたということですが、果たしてその必要があったのか、野間口辺りと比べて遜色ないどころか、かなり善戦していたように思うのですが……。ですが、それを乗り越えてこそのおとこまえですから、今後に期待いたしましょう。
久保はおそらく松坂に勝つつもりでしょう。それは“リベンジ”などという安っぽいものではなく、彼がプロ入りした意義そのものではないでしょうか。
| 鳴尾浜小町 | 2005/06/21 12:04 AM |
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