2005.03.08 Tuesday
北の大地のおとこまえ ヒルマン監督 |
おとこまえとは、歳月によって作られるものなのでしょうか? 当ブログでの「おとこまえ賞賛」では現役選手よりOB選手や監督・コーチの方が高濃度で、現役選手はむしろムチの方が多いのが現状であります。
いいえ、現在おとこまえのOB諸氏はおそらく現役時代からおとこまえで、おとこまえ度数とは累計的に上がっていくものなのでしょう。もちろん、人生においていくつもの貴重な経験を重ねることで、おとこまえが飛躍的にアップする瞬間もございましょう。ですが、若い人には若い人なりの「おとこまえ」があり、同様に賞賛すべきでございます。(例:能見篤史) と、申しましたもののやはりネタ不足は否めず、一昨日までは梨田昌孝氏【元近鉄選手及び監督】についての原稿を用意していたのでございますが、そこへヒルマン監督に関するニュースが飛び込んでまいりました。
ヒルマン監督、心臓病と闘う少年をスカウトに指名 ←「にわか日ハムファンのブログ」(byルパート・ジョーンズさま)より
ヒルマン監督 春輝くんを励ます ←「北海道放送HBC」サイト内。こちらでそのときの模様を動画でご覧いただけます。 ヒルマン監督は一昨年(平成15年)に自らの主催チャリティオークションで、道内心臓移植患者の支援活動を行っていたそうです。今回の慰問は毎日新聞の記事によりますと、春輝くんの主治医が球団側に要請して実現したそうでありますが、このお医者様もそのようなヒルマン監督を始め日ハムの活動をご存知だったのかもしれません。もしそうであるとすれば、今回の慰問が実現したのは日頃の監督の活動、日ハムの広報活動、主治医の熱意、そして春輝くんの生きたいという情熱がうまく噛み合ったからではないでしょうか。(5日には小笠原が病室を訪れているそうです。) さらにこの慰問は単なる激励にとどまりませんでした。 スター選手が重病の市井の患者を慰問し、そこでホームランの約束なり優勝の約束なりをすることは、今ではそう珍しいことではありません。その中で患者が「わたしのためにホームランを打って(優勝して)くれた!」と思うことは、彼らの中でおおいに励みになり、予後を良好に送る原動力になり得ます。 しかしヒルマン監督はそこからさらに一歩踏み込んで、春輝少年を奮い立たせたのであります。それが「交流戦で戦うことになるセ・リーグのチームデータを教えて」という依頼だったのです。 その瞬間春輝くんは大きな「生きる目的」を持ったわけでございます。さらに2週間後再び訪れる約束をなさっていますから、決して口から出任せておっしゃったのではありません。 わたくしたちは普通、生きる目的なぞ意識することはございません。ですが、明日生きていられるか分からない方たちにとって「生きるとは」「なぜ生きるのか」という問いは、おそらくたいへん重くのしかかってくるのでありましょう。その中で少なからず自暴自棄になることもあると想像いたします。 そこへヒルマン監督は「キミにはやらなくてはならないことがあるんだよ。生きなきゃいけないんだよ」と、メッセージを送ったのです。 春輝くんがドイツでの心臓移植手術を受けるために現在支援グループが募金活動を行っておられますが、この一件でキャンペーンの輪が確実に広がったことでしょう。このように申しますと、なかには「臓器移植のための募金活動を行っているのは春輝くんだけではない。キャンペーンが広がらずに苦労している支援グループもあるのに不公平だ」と思われる方もあるかもしれません。先程も申し上げましたとおり、この慰問が実現したのはさまざまな縁が重なってのことでございます。そも、人は完全に平等で公平でしょうか? 現に春輝くんのように思い病気を患う人と、わたくしのように風邪一つひかない人間とではすでに公平とは申せません。 しかしながら、かような重たい現実の中で「いかに生きるか」を考える力は平等に与えられているはずでございます。 そしてわたくしはその生き様の素晴らしい男をここで賞賛しているのでございます。 Viva! Trey Hilman! ※「春輝くんを救う会」HPのリンクを貼っておきますが、これはもちろん募金を強制するものではございません。当ブログの趣旨はあくまでヒルマン監督礼賛ですので、興味のおありの方のみリンク先へご訪問ください。 「春輝くんを救う会」 |