2005.01.29 Saturday
上原ふたたび |
ふたたび上原です。もう、この話題には辟易しているのですが、だからと言ってムチを打つ手を止める訳にはいきません。趣味とはいえ、わたくしも道を極めるためでございます……。
1月25日付けで更新されている彼の公式サイトを見ますと、次のようなことが書かれておりました。 「特に多かったのは「逆指名で入ったのにメジャーに行きたがるのはおかしい」という批判でした。この考えに対し、真っ先に思うのは「なぜ?」という疑問です。簡単に言うなら、現状に満足せず、少しでも上を目指していたいという気持ちを持っているから、メジャー行きをお願いしているのです。」 逆指名で巨人入りしたからメジャーに行きたがるのはおかしい、などという意見が本当にあったのでしょうか。逆指名で巨人入りしたのに“FA権取得を待たずして”メジャー行きを認めろと言う主張がおかしい、という意見ならよく見かけますが。少しでも上を、とおっしゃいますが、もはや日本プロ野球界には少しの上もないというのでしょうか。それはあまりにも傲慢な物言いです。 「ポスティングを訴えることはルール違反ではないし、僕が入団した時には、ポスティング制度さえありませんでした。入団するときの契約で「○○年後にポスティングで行かせてくれる」という契約ができるなら、話は違っていました。」 ポスティングを訴えることは確かにルール違反ではございませんし、彼の入団当時にはポスティング制度さえなかったのも事実でしょう。だからこそ、FA権取得までメジャー行きはできないと覚悟を決めていたはずです。 「オファーしてくれた球団の中には、確かにメジャーの球団もありました。しかし、当時の僕は、メジャーで活躍する100%の自信がありませんでした。でも、今ならあります。だからお願いしているのです。「そんなの虫がよすぎる」とか「わがままだ」と思う人もいるでしょう。だから前回の野球日記でも「応援してくれ」とは、一言も言わなかったし、わがままを言っているという自覚もあります。」 わたくし、この件を読んでおりませて目が痛くなりました。はあ? ドラフト指名がかかる選手がすぐにメジャーで活躍することなど、誰も期待しておりません。その前にルーキーリーグが待っております。メジャーに疎いわたくしでもそれくらいの知識はございます。その上にA、AA、AAAがあり、最高峰としてメジャーリーグが君臨するのが、アメリカのベースボールの構図です。もし、上原が上のようなことを本気で言っているのだとしたら、巨人をアメリカのルーキーリーグ以下と看做しているようなものです。 それに、「わがままなのはわかっている、だから応援してくれなんて言っていない」とは、おとこの、否、おとなの言動と言えるでしょうか。 ちなみに無事メジャー(アスレチックス)入りを果たした藪【阪神】の公式サイト(現在閉鎖)からの引用です。 「多くの野球少年が憧れる縦縞のユニフォームに袖を通して11年、悔いがまったく残らないといえば嘘になりますが、タイガースの一員として野球人生を歩んでこれたことには誇りを持っています。けれど、私の野球人生はまだ終わりではありません。今は社会人からプロの世界へ飛び込んだ時と同じで、ドラフトを直前に控えた新人のような心境です。」(2004年10月14日にメッセージより) 「『なぜ、タイガースではだめなのか?メジャーでなければいけないのか?』と思う方もいると思います。でも、私の中ではメジャーでなければいけないのではなく、メジャーがあるから行きたいと言った方が正しいかもしれません。高校から大学、大学から社会人、社会人からプロへというように、先へ先へと歩んできました。それと同じように、日本のプロ野球の先にメジャーがあるというのが今の私の思いです。子供の頃から強く憧れていたメジャーではなく、私の野球人生の延長戦上にメジャーがあったのです。だからタイガースがだめだという理由も少しもありません。」(同年10月27日のメッセージより) 少しでも上を目指すという点では二人とも同じですが、藪はFA権を正式に取得しており、しかも年齢が今年で37歳という、日本では高齢と言われる年齢になっている違いがあります。彼の中ではおそらく、社会人からプロ入りした頃のような感覚なのでしょう。社会人野球に残る選手もいれば、プロ入りする機会に恵まれる選手もいる。日本プロ野球界に残る選手もいれば、メジャー入りの機会に恵まれる選手もいる。彼は常に後者だったのです。 1月23日に放映された「週刊トラトラタイガース」で、「なぜこの年になってメジャーを目指そうと思ったの?」という川藤氏の問いに「この年だから挑戦しようと思った」と答えていました。「どういうこと?」というさらなる問いに 「だって、メジャーに行くとこれくらいの年齢の選手なんてごろごろいるでしょう」 と笑いながら答えていました。わたくしは清々しささえ感じました。穿った見方をすれば、井川へのあてつけ? とも思えるのですが、藪にそのような意図があろうはずはございません。藪に乾杯、です。 昨年のストライキ騒ぎの際にはファンをダシに使い、この期に及んでファンを「賛同者」と「批判者」に二分する。そのようなやり方がおとこまえであるはずがございません。 |