2005.01.20 Thursday
上原おとこまえ化計画 |
本日の主役は上原浩治【巨人】です。
上原と言えば誰もが認める巨人のエースです。その上原が来季にもメジャーへの移籍を求めて球団と交渉中だといいます。 「契約金返す!」上原来季メジャーを直訴 の記事 上原の生の声を聞きたい方は上原浩治オフィシャルサイトへどうぞ。 この記事によりますと、上原は交渉の材料として 1)年俸大幅ダウン 2)FA権取得までの残り4年分の契約金返還 をあげているようです。 このところメジャーへの移籍を希望する選手が『多発』しておりますが、彼らに共通して言えるのは消極的な「自分さえよければ……」という甘えです。井川はなにがなんでもゴリ押しで自分の意志を押し通す構えを見せていますし、上原は「金を返せば済む話」とタカをくくっているようにすら見えます。 「どうしても行きたい」「わがままなのは分かっています」という上原に聞きとうございます。仮に契約金の返還と同時に自由契約の身になり、晴れてメジャーへの移籍が叶ったとしましょう。あなたには後に続く選手たちのことを考える余地すらないのでしょうか。上原が作った「前例」は後続の選手が同様の要求を球団に行う際に少なからず持ち出されることでしょう。 プロ野球選手の移籍の権利拡張を標榜するのであれば、球団に有利になるような譲歩案は出すべきではございません。1〜2年くらい犠牲にしても選手会を通すなりして、きちんとした形で渡米できるようなシステムを作るよう、球界に働きかけるくらいの心意気があってもよろしいのではないでしょうか。ことは自分がメジャー移籍できればそれでよいというものではないと存じます。 さらに彼らが利用しようとしているポスティングというシステムを、日本プロ野球選手会としては以下の理由で正式に認めておりません。 1)選手は球団を選べない 2)日本の球団に支払われる入札金が高額なため積極的に利用しようと言うメジャー球団が少ない 3)仮に入札があっても入札金が選手の年俸を圧迫している 4)選手を競走馬のようにセリにかける人身売買の極み (「日本プロ野球選手会公式ホームページ」より) 4つ目の理由などわたくしに言わせると「笑止の極み」であり、このあとなおも当該サイトではとんちんかんな屁理屈が続くのですが、(特に、年俸が高額なのは「150kmのボールを投げられることが理由なわけ」というくだり。もちろん極端な比喩のつもりでしょうが、醜悪です)それについては別に考えてみたく存じます。 上原や井川が交渉に成功してメジャーへの移籍が実現したといたしましょう。当然ポスティングを利用してメジャーへ移籍しようとする選手が増えましょう。そして球団は彼らとの交渉に多大な時間を割くよりは、ポスティング移籍をさっさと認めて入札金を手にすることを安易に選ぶようにならないでしょうか。なし崩し的にポスティングが普通に行われるようになりはしないかと、心配するのであります。 これには選手会も賛成するはずがありません。もし黙認したとなればダブルスタンダードを使い分けたと非難されるでしょう。 もとよりわたくし、プロ野球選手の移籍の自由などという球界にとっての重要事項にとやかく口出しできる立場にはございませんし、適切な解決策を持つ訳ではございませんので本題に戻ります。 上原が「おとこまえ」になるための3提案 1)「なにがなんでもメジャーに行きたい!」と言わない。これを言ってしまうからわがままに聞こえてしまいます。いっそのこと、「俺はメジャーに行くことに決めた」くらい言ってはいかがでしょうか。(「メジャーでやるのは、僕にとって夢ではなく、目標なんです」? ならなぜドラフト時にエンジェルスの誘いを蹴ったのでしょうか? 「日本でやってからメジャーに挑戦しても遅くはない」と言いましたね? 巨人に入団して実績を作り、少しでも高く売りつけようとしたのではないかと、勘ぐられても文句は言えませんよ。) 2)「ぼくはメジャーをあきらめます。そのかわり後続の、メジャー移籍を希望する若い選手たちが、今よりも速やかにメジャー移籍することが可能となるようなシステム作りを、選手生命をかけてでも訴えていくつもりです。」と表明する。他のメジャー指向の選手から多大な指示を得ること間違いなし、です。 3)年俸減額に加えて契約金を全額返金。おとこまえです。(横浜の佐伯あたりなら本当にやりそうな気が……。) もちろんこれは強制でもなんでもありません。そもそもこれが上原の目に留まるとは思っておりませんし、むしろ見ずともどれかひとつを実行していただきたいくらいなのです。と言いましても、わたくしは上原のファン、というわけではございません。ただのつまらない「おとこまえ」好きなのでございますよ……。 本日の収穫(「おとこまえ」定義に追加) 「おとこまえ」は自分の夢のために大局を見失ったりしない |